コンフィチュール アンズ(信州大実)
先日、「信山丸」という品種のアンズを長野県から送ってもらい、瓶詰め作業をして楽しかったので、今度は、「信州大実」と言う品種を送ってもらいました。
信山丸に比べて、大きな信州大実は、4キロ注文しても33個しか入っていません。
手にとって見たら、どれくらい大きいかわかりますよね。家庭果樹園の極早生桃の千代姫と同じ位大きなアンズです。
今回は、種の取り方から説明しましょう。
アンズの線にそって1周ナイフを入れ、ひねると2つに分かれます。スプーンなどを使って、種もはずします。
種割器で種を割ります。種割器の無い人は金づちで割ってください。この作業が地味で根気の要る作業です。でも、杏仁を使うのと使わないのでは、本物の味と、似たような味の差がでます。面倒くさくてもここで頑張らないとね。
種を包んでいる薄皮も剝くと、中から真っ白な仁が出てきます。これが「杏仁」です。香港では乾燥させた杏仁がアンズの種類別に売っています。それを漢方スープに使ったり、杏仁豆腐を作ったりします。
今回は、プリザーブド・スタイルのコンフィチュール(ジャム)にするために、大き目の角切りにしました。ジャムなので、ゲル化させるには酸が必要になります。畑のレモンの樹に、まだ少しレモンが生っていたので収穫しましたが、少しパサパサになりかけていました。でも、有機肥料の無農薬レモンなのでこれで十分です。
種をはずして角切りにした果肉の正味量を計り、好みで30%~80%の砂糖を使うのですが、常温での長期保存には、少なくても60%以上の糖分が必要になります。
果肉の食感を残すために、煮込むときに2~3回に分けて入れる砂糖を、全部入れて一晩置きます。翌日ザルで果肉とシロップに分けて、シロップを煮詰めて果肉を戻しいれ、熱々を消毒したビンに詰め、脱気消毒して冷暗所に保存すると、常温で1年間保存できます。
今回は、赤ワインを入れてコンポート風に仕上げました。
アンズは果肉が煮崩れしやすいので、プリザーブド・スタイルにするには、煮込み時間を短くしなければなりません。シロップを煮込んで砂糖の濃度を上げて、果肉を入れたら普通のジャムよりも短い時間で仕上げます。
普段は面倒くさいので業務用の寸胴で、種だけはずしたアンズを大量にジャムにするけど、去年と今年はアンズがチョッとしか実らなかったので、今年は長野県からアンズを買って、普段よりは丁寧に加工しながら、作っています。
この、赤ワインの入ったコンフィチュールは、最低でも2~3ヶ月は待たないと、味がなじみません。
まだ、1.5キロの信州大実が残っているので、明日は柔らかいコンポートを作ります。私は、アンズの瓶詰めを開ける度に大好きな初夏の香りが広がってくるので、チョット幸せな気分になります。
自宅で処理しきれないくらい沢山のアンズが実った年は、ジャム・シロップ・コンポート・お酒・紫蘇漬け・砂糖漬け・・・と、アンズ仕事も沢山あるけど、2年も続けて遅霜の被害にあうなんて、やっぱり温暖化の影響かな?